🖼️ アイキャッチ画像案:暗い背景に「VPN」と書かれた鍵が壊れているイラスト、もしくは城門が破られている象徴的なビジュアル
「うちはセキュリティ製品を導入しているから大丈夫」
そう思っているIT担当者ほど、実は危ない状態にあるかもしれません。
本当に情報を狙うハッカーは、ウイルスを仕込んだメールを送りつけてくるだけではありません。VPNという「正規の入口」から、何事もなかったかのように社内ネットワークへ侵入してきます。 しかもその侵入は、セキュリティ製品から見ると「正規の手順で入ってきた正常な通信」として処理されるため、検知すら難しい状態です。
実際に大企業が情報漏洩の被害を受けるケースの多くで、VPN環境が侵入経路になっていることが現場では確認されています。
では中小企業は何をすればいいのか。その答えの一つが「ゼロトラスト」という考え方です。
💡 この記事でわかること
- VPNがなぜ今、危険視されているのか
- ゼロトラストとは何か(例え話で理解できる)
- 自社で導入を検討する際の最初の一歩
この記事ではZscaler専門のプリセールスエンジニアの監修のもと、ゼロトラストの基本とVPNとの違い、そして社内で導入を検討する際の最初の一歩を、専門知識ゼロでもわかるように解説します。
なぜ今VPNが危ないのか
🖼️ 画像案:サーバールームや、警告マーク付きのネットワーク図のイメージ画像
⚠️ 「対策はしていた。それでも防げなかった」
2025年9月、大手飲料メーカーのアサヒグループホールディングスがランサムウェア攻撃を受け、個人情報191万4,000件が漏洩または漏洩の可能性があるという深刻な事態が発生しました。
この事件で特に注目すべきは、アサヒGHDの社長自ら「防げた攻撃だった」と認め、既知のVPN脆弱性を突かれたことを事実上認めたという点です。つまり、セキュリティ対策を講じていた大企業でさえ、VPNが侵入経路になってしまったということです。
さらに被害の深刻さは業務全体に及びました。
📌 アサヒGHDの被害規模
- 受注・出荷システムが停止
- 手作業による対応が約2ヶ月継続
- 個人情報191万4,000件が漏洩または漏洩の可能性
大企業だからこそ多大なコストをかけて復旧できましたが、これが中小企業に起きていたらどうなっていたでしょうか。復旧費用はもちろん、取引先への信頼損失、業務停止による売上減少は、経営に直結します。
では、なぜVPNはこれほど危険なのか。理由は構造にあります。
VPN装置の脆弱性を突かれると、攻撃者は社内ネットワークへの侵入口を手に入れます。一度侵入されると、正規のユーザーとして内部を自由に動き回ることができるため、セキュリティ製品からは「正常な通信」として処理されてしまいます。
🚨 「セキュリティ製品を入れているから安心」という状態が、実は最も危険な状態かもしれません。
ゼロトラストとは何か
🖼️ 画像案:お城のイラストと検問所のイラストを並べた対比画像(自作orフリー素材)
では、VPNの弱点を補う考え方として注目されている「ゼロトラスト」とは何なのでしょうか。難しそうに聞こえますが、例えるとこうなります。
🏰 従来のセキュリティ:お城の門のイメージ
これまでの境界防御型セキュリティは、お城の構造に例えられます。城壁という「外と内を分ける境界」さえ守れば、城内の人間は全員信頼できるという考え方です。VPNはまさにこの「城門」の役割を果たしていました。
❌ 問題点:この門を一度突破されると城内が無防備になる
攻撃者は城内を自由に歩き回り、重要な情報にアクセスし放題になります。アサヒグループの事例がまさにこのパターンでした。
🛡️ ゼロトラスト:全通路に検問所を設けるイメージ
ゼロトラストは発想を根本から変えます。城内に入れた人間であっても、部屋から別の部屋へ移動するたびに検問所で身分確認を行うという考え方です。
✅ すべての通信で毎回確認する3つのこと
- この人は本当に正規のユーザーか
- このデバイスは安全か
- このアクセスは正当な理由があるか
仮に攻撃者が城門を突破して城内に侵入できたとしても、各部屋の検問所で止められるため、被害を最小限に抑えられます。
これがゼロトラストの核心である「何も信頼しない、常に検証する」という考え方です。
VPNとゼロトラストは何が違うのか
「ゼロトラストに切り替えると、社員の使い勝手が大きく変わるのでは?」と心配される方も多いと思います。
💡 結論:利用する社員側の体感はほとんど変わりません
変わるのは内部のセキュリティ構造です。社員は今まで通りIDとパスワードでシステムにアクセスするだけです。その裏側で「このユーザーは本当に正規か」「このデバイスは安全か」という確認が自動的に行われるようになります。社員が特別な操作を覚える必要はありません。
ただし一点だけ正直にお伝えすると、ゼロトラストではすべての通信に対して認証・検証が行われるため、従来のVPNと比べてわずかに接続の遅延(レイテンシ)が発生する場合があります。とはいえ、VPNの脆弱性から受ける被害リスクと比較すれば、許容できる範囲といえるでしょう。
整理するとこうなります。
| 項目 | 🔓 VPN | 🛡️ ゼロトラスト |
|---|---|---|
| 社員の操作感 | 変わらない | ほぼ変わらない |
| 侵入された場合 | 内部が無防備 | 被害を最小限に抑えられる |
| 通信速度 | 速い | わずかに遅延が出る場合あり |
| セキュリティ強度 | 城門のみ | 全通路で検問 |
ゼロトラストを本当に機能させるにはSASE導入が必要
🖼️ 画像案:クラウドとオフィス・自宅をつなぐネットワーク図のイラスト
ゼロトラストを完全に機能させるにはSASE導入が必須になります。
🗣️ 監修者コメント(Zscaler専門 プリセールスエンジニア)
「セキュリティ製品を使っているから大丈夫と思っている人が大部分いますが、ゼロトラストを本当に機能させるにはSASEの導入まで行わないと意味がない」
SASEとは何か
SASE(サシー) とは、ネットワークとセキュリティの機能をクラウド上でまとめて提供する仕組みです。難しく聞こえますが、要するに「社内外どこからでも、安全かつ快適に社内システムへアクセスできる環境」を実現するための基盤です。
📝 覚えておきたい関係性
- ゼロトラスト = 考え方
- SASE = それを実現する仕組み
この2つはセットで理解する必要があります。
経営者への伝え方
ここで多くのIT担当者が直面するのが「経営者への説明」という壁です。「セキュリティ強化のために投資が必要」と伝えても、コストとしか受け取ってもらえないケースが多くあります。
監修者がすすめる伝え方はこうです。
💼 経営者への提案フレーズ例
「クラウドや自宅から社内システムへ安全かつ快適にアクセスできる環境を構築することで、ビジネスの継続性を確保できます」
セキュリティの話ではなく、リモートワーク環境の改善とビジネス継続への投資として提案することで、経営者の理解が得られやすくなります。
専門家に相談する前に準備すること
🖼️ 画像案:チェックリストを書き込んでいる手元のイメージ画像
「では専門家に相談しよう」と思ったとき、いきなり連絡するより事前に準備しておくことで話が格段にスムーズになります。
Zscaler専門のプリセールスエンジニア曰く、相談前に準備しておくべきことは大きく3つです。
✅ ① 既存環境の正確な把握
現在どんなネットワーク構成になっているか、どのシステムをどこで使っているかを整理しておきましょう。専門家への相談はここが出発点になります。把握できていないまま相談しても、適切な提案を受けることができません。
✅ ② シャドーITの洗い出し
シャドーITとは、会社が把握していないところで社員が勝手に使っているクラウドサービスやツールのことです。
📌 シャドーITの典型例
- LINEで仕事のやり取りをしている
- 個人のGoogleドライブに業務ファイルを保存している
- 無料の翻訳サービスに社内文書を貼り付けている
これらを放置したままゼロトラストを導入しても、抜け穴が残ったままになります。
✅ ③ FW設定情報・セキュリティ製品ポリシーのリスト化
現在使っているファイアウォール(FW)の設定情報と、導入済みのセキュリティ製品のポリシー一覧を整理しておきましょう。これがあると専門家との初回相談で現状診断がスムーズに進みます。
🎯 この3つを準備した上で相談に臨むことで、自社に本当に合った提案を受けられる可能性が高まります。
まとめ
この記事では、VPNの危険性とゼロトラストの基本について解説しました。最後に要点を整理します。
📋 この記事の3つのポイント
1. VPNはもう「守れる入口」ではない
アサヒグループの事例が示すように、セキュリティ対策をしていてもVPNの脆弱性を突かれると防げないケースがある
2. ゼロトラストは「常に検証する」考え方
「何も信頼しない、常に検証する」という考え方で、城内の全通路に検問所を設けるイメージ
3. SASE導入とビジネス視点での提案がカギ
ゼロトラストを完全に機能させるにはSASE導入が必須で、経営者にはセキュリティコストではなくビジネス継続への投資として提案する
次のステップは「現状の把握」から
ゼロトラストやSASEの導入は、自社の現状を正確に把握することから始まります。
🚀 今日から始められる3つのアクション
- 既存のネットワーク構成を書き出してみる
- シャドーITになっていそうなツールをリストアップする
- セキュリティ製品のポリシーリストを整理する
「何から手をつければいいかわからない」という方は、まず専門家に現状を診てもらうことをおすすめします。自社の環境に合った最適な対策が見えてくるはずです。


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